果たして覚悟の再出発の行方は 広島復帰の新井に待ち受ける壁
プロ17年目を迎えるベテランは過酷な競争に勝てるか
となると、三塁はどうだろう。広島にとって、今季の泣き所だったポジション。相手投手の左右などで、日替わりで起用され、ホットコーナーは最後まで固定しきれなかった。レギュラー候補に挙がるのは堂林、梵、木村、小窪、そして、侍ジャパン21Uに入った鈴木誠あたりだろうか。
堂林は、今オフにTBSの枡田絵理奈アナウンサーとの結婚が決定。生涯の伴侶を得て、新シーズンに挑むことになるだけに、かける思いは人一倍強い。鈴木誠は、台湾で行われた21Uワールドカップで首位打者とベストナインを獲得。パンチ力のある打撃に加え、走力をはじめ、高い身体能力が武器だ。この2人は今季、右翼でも起用されており、三塁と右翼で併用される可能性もある。
梵、木村、小窪の中堅、ベテラン勢も、黙っていないだろう。特に梵、木村は今季、FA権を取得したが、権利を行使することなく、広島に残留した。カープの優勝へ貢献したいという思いは強い。
新井は来季、38歳になる。広島というチームは菊池、丸に代表されるように、若手の成長が目を引くチームだ。堂林、鈴木誠などは、この2人に次ぐ存在と、期待もされている。実績はあれど、新井のプライオリティーは彼らより下になるかもしれない。
自身が望んだ競争があるのは、事実。春のキャンプ、オープン戦でその力を取り戻し、発揮しなければ、レギュラーの座はつかめない。金も、プライドもかなぐり捨てて、飛び込んだ古巣。背水の覚悟で、新井はプロ17年目に挑む。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count