日本プロ野球史上9人目の偉業なるか 今季大躍進の柳田悠岐が見据える進化
「本塁打を増やしたい」、鍵はミートの正確性
今季、このように大躍進を果たした柳田だが、まだまだ、底知れぬ可能性がある。その花は、まだ五分咲きといったところか。
「本塁打の数を増やしたいですね。来年からが勝負の年になると思う。経験だけ、来年に生かしていきたい」
期待がかかるのは、プロ野球史上8人しか成し遂げていない「トリプルスリー」の達成だ。3割、30本塁打、30盗塁。歴代達成者は50年の岩本義行(松竹)と別当薫(毎日)、53年の中西太(西鉄)、83年の簑田浩二(阪急)、89年の秋山幸二(西武)、95年の野村謙二郎(広島)、00年の金本知憲(広島)、そして、直近でも02年の松井稼頭央(西武、現楽天)まで遡る。いま、柳田は球界でそこに最も近い選手だと言われている。
今季、3割と30盗塁を達成した。続けて3割をキープするのも、もちろん至難の業ではあるが、あえて言ってしまえば、あとは本人の言う通り、本塁打だ。柳田のスイングの特性上、ミートポイントが少しズレると、打球にはラインドライブがかかり、打球がフェンス手前で下降する傾向にある。
「ちゃんと当たれば、(スタンドには)入る。当たる確率を高めていきたい」。今季は、チームワーストの131三振を喫しているという側面もある。ミートの正確性を高められるかが、本塁打量産の鍵を握る。
しかも、球団にはヤフオクドームを改修する計画があると一部で報じられている。両翼100メートル、中堅122メートル、フェンスの高さ5・8メートルと、12球団の本拠地でも屈指の大きさを誇るヤフオクドーム。計画では、右左中間の外野フェンス前にフィールドシートを設置するという。外野が狭くなることで、本塁打数が増える可能性もある。
まだ、26歳。柳田には、無限の可能性がある。メジャーにも衝撃を与えたバッティング。どこまで大化けするか。その進化に注目だ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count