大竹移籍の穴を埋めた広島先発陣 「ポスト・マエケン」は台頭するか

将来的なメジャー移籍の可能性が浮上する前田、その穴は埋まるのか

 広島には、今後への不安材料がある。将来的なメジャー挑戦を公言している前田健太の動向である。現在も、たびたび、米メディアでマーケットの注目選手として取り上げられているマエケンだが、今オフは、球団側がポスティングシステムでの移籍は認めない方針を固めているため、残留が基本線だと言われている。ただ、早ければ、来オフにも、前田健太のメジャー挑戦は現実のものになる可能性がある。

 前田の移籍は、大竹以上の影響を及ぼすだろう。言わずと知れた球界屈指のエース右腕。今季の11勝は、周囲にとっても、自身にとっても物足りない数字ではあった。今季のマエケンは、明らかに「らしさ」を欠いていた。ピンチで粘れず、簡単に失点するシーンは一度や二度ではなかった。

 ただ、裏を返せば、本来の力を発揮出来てはいないながらも、きっちりと11勝をあげたのだ。なんだかんだ言って、防御率も2.60だった。期待値のハードルが高いが故に、批判もあるが、5年連続2桁勝利。大きな故障なく、年間を通してローテを守れば、確実に2桁を勝つ投手というのは、チームにとってどれだけ有り難い存在か。

 遠くない将来に起こり得るエースの移籍。その影響を少しでも軽減させるためには、「ポスト・マエケン」の育成、発掘も急務となる。エース候補の筆頭は大瀬良だ。1年目はまだ、不安定さがあった。エースとして、もう一皮も、二皮も剥ける必要がある。野村も、また、しかりである。福井や九里、戸田といったローテ候補の面々がシーズン通して、ローテをきっちり守れる投手にならなければいけないだろう。

 現段階では、マエケンの穴を1人で埋められる選手はいない。11月の日米野球での投球を見ても、そう感じる。いつか来る、その時のため。投手陣全体の更なるレベルアップと、新たな先発投手、そして、次代のエースの台頭が、カープには求められている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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