元巨人の「ドラ7コンビ」はハマの救世主になれるか
2投手は“ドラ7魂”を見せられるか
そして、1986年生まれの東野が茨城の鉾田一高校からプロ入りのドアをたたいたのは、林が飛躍を遂げていた2004年のドラフト会議だった。林と同じくドラフト7位で巨人に入団。背番号は93だった。
東野はけがですぐに頭角を現すことはなかったが、潜在能力は高く、1年目(2005年)から期待されていた。その東野を兄貴分として面倒を見ていたのが林だった。
当時、林は「同じドラフト7位で感じることもある。(ドラフトの)順位は関係ないというところを見せていけたらと思います」と東野と共闘しながら這い上がっていくことを誓っていた。東野がプロ3年目となった2007年には一緒にグアムで自主トレを行い、鍛え上げた。すると、東野は同年についに1軍初登板。翌2008年に定着し、才能が開花した。
ドラフト下位でも腐らずに1軍の舞台をつかんだ2人。“ドラ7魂”を見せた。
その後、巨人を退団した2人だったが、林は日本ハム、東野はオリックスをそれぞれ戦力外になり、年度は違うものの、横浜の地にたどりついた。
林は「僕も(戦力外になり)彼の気持ちはよく分かっているつもりです」と言う。自身もチームが変わり、フォームを試行錯誤した。一番よかったときを追い求めてもなかなか状態が上がらなかったが、今季は「近年では一番いい状態だった」と56試合に登板。巨人時代の2006年(62試合に登板)以来の50試合登板を果たし、復活した。
復活がキーワードになる東野にとっても、林は心強い存在。きっと、右腕の背中を押してくれるはず。そして、励まし合いながら、再び輝きを取り戻してくれるだろう。
古くは元ヤクルト捕手の大矢明彦氏、元阪神の藤本敦士氏ら、プロ野球ではドラフト7位指名でも1軍で活躍する選手は多く出ている。今年も健大高崎高校で甲子園に出場した脇本直人内野手がロッテから7位指名を受けたが、「ドラ7」だって活躍できるチャンスは十分ある。
林と東野。今後、プロの世界に飛び込む選手のためにも、「ドラ7」から這い上がってきた2人の活躍に期待したい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count