ヤクルト浮上の起爆剤に? 成瀬善久獲得がもたらす効果とは
「ローテーションレベル」の投手の明らかな不足
失点増には投手が、特に長いイニングを投げる先発投手の質が大きく影響する。ヤクルトは今シーズン1283イニングを守り、9イニング当たり5.03点を奪われていた。この1283イニングを誰が、どの程度の失点率でマウンドに立っていたかを整理すると次の図のようになる。
先発陣の石川雅規、クリス・ナーブソン(退団)、石山泰稚、小川泰弘、八木亮祐まではチーム全体の平均失点率5.03とほぼ同じか少し低い数字で投げた。しかし6番目、7番目にあたる古野正人と木谷良平は両者とも11度先発し、それぞれ69イニング、62イニングほどマウンドに立ったが、それぞれ9イニング当たり6.13点、7.25点というペースで失点していた。
このローテーションの最後尾を担った先発投手が担当した131イニングは、ヤクルトが失点を減らす上で最初に手をつけたい箇所だろう。突き出した2人のグラフをせめて他の先発投手に近づくよう凹ませて、チーム全体の失点率を下げていきたいところだ。
ここにうまくはまるのが、プロ入りからの9年間で平均150イニング以上登板し、9イニング当たりの失点を3~4点に抑えてきた成瀬だ。