カープ優勝へのキーマンは捕手? 會澤翼が秘める魅力と可能性

背番号27は球団の期待の表れ

 しかも、勝負強い。5月10日に1軍に再登録されると、その打力で徐々に出番を増やし、7月半ばには、スタメンに名を連ねる日々が続くようになった。6月29日のDeNA戦や、8月13日のヤクルト戦で決勝弾を放ち、9月29日のヤクルト戦では、長期離脱空けでの復帰後初戦、初打席で10号3ランを放った。ここぞ、という場面での一打や一発は一度や二度ではなかった。

 8月31日の中日戦で、試合中に右太ももを肉離れし、戦線を離脱した。會澤不在の間、チーム成績は24試合で10勝14敗と、4つの負け越し。優勝、CSの本拠地開催を争う終盤戦の失速に、少なからず影響を与えた。裏を返せば、存在感が高まってきた証しでもある。

 来季に向けての課題は、打力を保ちつつ、リード面の向上を図ることか。今季を見ると、會澤のリードは、外角に偏りがちという印象を受けざるを得なかった。捕手は経験がモノをいうポジション。會澤は今季で1軍通算出場190試合で、1261試合出場のベテラン石原に比べれば、大きく劣るのだが……。

 今季、會澤が先発した試合は23勝22敗と勝ち越した。盗塁阻止率など、守備の数字も、決して悪くない。會澤翼が、来季の鯉の正妻候補1番手と見て、間違いない。

 古田氏や中日の谷繁選手兼任監督と同じ、捕手の代名詞とも言われる背番号になったことからも、球団の期待は感じられる。絶対的な捕手が1人いる球団は強い。會澤がそうなったとき、広島は常勝軍団に一歩近づく。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY