「代打」での苦悩を吐露 松中信彦はプロ19年目の来季復活なるか
奇跡の復活に向け、「41歳の体の中でベストなフォームを探る」
来季に向け、やるべきことは定まっている。工藤新体制で臨む新たな1年となっても、松中の持ち場は今季と変わらぬ可能性は高い。本人もそれは自覚している。「1球で仕留められるように、精度を上げないと。迷い無く、足を上げるのか、上げないのか、41歳の体の中でベストなフォームを探して、これで行くんだというのを見つけていく」と、オフの取り組みに思案を巡らせている。
会見の席で繰り返したのは「恩返し」の言葉。昨季は交流戦の優勝セレモニーをボイコットし、懲罰降格。最後まで、1軍に呼び戻されることはなかった。今季は、8月10日の日本ハム戦で、5回2死一、二塁から、大谷から左翼線を破る決勝適時二塁打を放った。755日ぶりに立った本拠地のお立ち台では、人目もはばからず、大粒の涙を流した。
同14日の楽天戦でも、延長10回1死満塁でサヨナラ四球を選び、再び、お立ち台に立った。2度目は涙はなかったが、ファンの声援が身に沁みた。
本拠地に「代打・松中」がコールされると、沸き起こる大歓声。その声に、期待に応えたい。
「結果を残すこと、恩返しすること、それしかない」
奇跡の復活を目指して――。41歳、松中信彦の19年目の戦いが始まる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count