「ジーターの後継者候補」がメッツ移籍!? ニューヨークで待望論が再燃

地元メディアは「5パーセントの確率」と懐疑的な見方も、ファンの心を揺さぶる話題

 ニューヨーク・ポスト紙のシャーマン記者は数少ない賛成派で、「メッツはトゥロウィツキーを獲得するために全力を注ぐべきだ」という見出しでコラムを掲載した。大型契約を負担する経済面、今季途中に臀部を手術した健康面などのリスクを認めつつも、マット・ハービーやジェイコブ・デグロムら若い先発投手が台頭しているチームにとって「本物の遊撃手と打者が必要。チームを変える起爆剤となりえる存在」と説明。大きな賭けに出るタイミングは「今しかない」と力説している。

 一方で、ニューヨーク・メディアの大半を反対派が占めている。その一番の理由が「故障のリスク」が多大であること。最近の5年間では2011年の143試合出場が最多。11年以降は平均出場100試合に満たない。しかも手術明けで運動量の多い遊撃手としてどれだけ復活できるか不透明だ。ニューズ・デー紙のレノン記者は「契約があと3年であれば考える余地はあるが、6年では長すぎる。リスクを冒す価値はないだろう」とみる。

 チーム再建への上昇気流に乗りたいメッツと低迷するロッキーズにとっては、理にかなったトレードに見えるが、両球団の本気度を疑問視する声も強く、現時点で実現の可能性は低そうだ。スポーツ専門局のESPN(電子版)も「5パーセントの確率」と懐疑的。あとはロッキーズがどれ程年俸を負担するか、メッツが複数のトップ級若手有望株の放出に踏み切れるのか、で再びトレードが動き出す可能性もある。

 それでも、レイエスが去って以降、長く遊撃手を固定できていなかったメッツ・ファンの心を揺さぶる話題であることは間違いない。トゥロウィツキー待望論はもう少しの間、ニューヨークでくすぶりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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