パイレーツに落札された「韓国のAロッド」 メジャーでの活躍はなるか?
レギュラー獲得への壁を乗り越え、内野手として成功できるのか
投手では、2012年オフにドジャースが韓国人最高額となる2573万7737ドル33セント(約30億円)で独占交渉権を獲得した柳賢振(リュ・ヒョンジン)が、昨年、今年と2年連続14勝。結果を残している。秋信守もインディアンス、レッズでの活躍が認められ、昨オフにレンジャーズと7年総額1億3000万ドル(約157億円)の大型契約を結んだ。「韓国のAロッド」は内野手の評価を上げることになるだろうか。
ただ、レギュラー獲得へ大きな壁があることは間違いない。パイレーツは今季、ジョーディー・マーサーが遊撃のレギュラーを務めた。二塁には、地元ピッツバーグ出身で生え抜きのニール・ウォーカーがいる。球団公式サイトの特集記事では、ウォーカーの守備指標がそれほど高くないことを指摘しつつ、「もし、カンがマーサーの仕事を奪えなければ、ウォーカーの代役(控え)となるだろう」として、試合終盤の守備固めなどの起用もあると見ている。
また、記事では、韓国プロ野球の投手力や球場の狭さなども考慮して、その打力についても疑問を投げかけている。ただ、カンには正当なバットスピードがあり、メジャーで広い球場として知られるペトコ・パーク(サンディエゴ)、シティ・フィールド(ニューヨーク)、セーフコ・フィールド(シアトル)でもホームランを打つパワーがあるとスカウトが話していることも紹介している。
近年、日本人内野手で海を渡ったプレーヤーは、特に守備面で苦しむことが多かった。ただ、球団公式サイトでは、カンの遊撃での動きは渡米後に変える必要があるとしつつ、肩の強さを評価。三塁を守ることも可能と見ている。その際には、ペドロ・アルバレスやジョシュ・ハリソンのポジションを動かす可能性もあるという。
日本人野手はパワー不足を指摘されることも多いが、姜正浩が韓国で残した成績は確かに圧倒的だ。同じアジアから羽ばたく27歳は、メジャーでどんな結果を残すのだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count