2年目の大躍進 データで見る大谷翔平の進化の理由【打者・総合評価編】

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打席での余裕が生まれた? ストライクゾーンの管理に見える成長

 投手としてだけでも十分過ぎる貢献をした大谷翔平だが、打者としても高卒2年目としては規格外の成績を残している。

 打率、出塁率、長打率のいずれも前年を上回り、特に長打率.505はリーグでもトップクラスの数字となっている。長打を打つ能力が伸びたことでweighted On-Base Average(wOBA)(注1)はリーグ平均(.323)を大きく上回る.375。攻撃に関する成績も十分といえる内容だ。

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大谷翔平のパフォーマンス――打席での各種結果の割合

 昨年(2013年)の成績との比較には、打者・大谷の成長もしっかり表れている。格段の進歩があったのは、打撃アプローチ(注2)だろう。昨年はプロのスピードや変化球への対応に苦しみ、バットにボールを当てることができず打席を終了する三振の割合が非常に高かった。また、四球を選ぶ割合も一軍選手レベルに達しておらず、打つべきボールの選択といったストライクゾーンの管理面での苦戦がうかがえる状態だった。

 加えて、バットにボールが当たったインプレーの結果を見ても、ゴロを打つ割合が非常に多かった。昨年までの大谷の打撃アプローチやバットコントロール能力では、プロの投手を相手に「バッティング」できている打席はあまり多くはなかったといえる。

 しかし、今年はこの部分で格段の進歩があった。三振で打席を終わる割合は10ポイント以上改善。四球を選ぶ割合はリーグ平均を上回った。ストライクゾーンの管理がうまくいくようになった様子がうかがえる。

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