語り継がれる松井秀喜の記憶 ヤンキース史上4番目に価値あるFA契約に
今もニューヨークでのセレモニーで大歓声を受ける松井
2位は「ミスター・オクトーバー」の異名を持つレジー・ジャクソンだ。ポストシーズンで無類の強さを発揮したスーパースターの説明は、もはや必要ないだろう。その言動で話題を呼ぶことも多かった。ヤンキースには2度の世界一をもたらし、加入1年目の1977年には自身2度目のワールドシリーズMVPに輝いている。
そして1位に選出されているのはマイク・ムッシーナ。2001年に同地区のオリオールズから移籍した右腕は、在籍8年間はすべて2桁勝利を挙げ、ヤンキースで通算123勝。2008年には20勝9敗という好成績を挙げながら、現役引退した。
名門球団の先発ローテーションを長年、高いパフォーマンスで支え続けた功績は大きく、チームメートからの信頼も厚い。松井氏が2012年にレイズに加入した時、トレードマークの背番号55が空いていなかったため、35番を選んだ。その際、恩師の長嶋茂雄氏の「3」をもらったことに加え、「35」は尊敬するムッシーナの番号であるという理由も明かしている。
松井氏は今も、セレモニーなどのためにヤンキースタジアムを訪れると、歴代のレジェンドたちの中でトップクラスの大歓声を浴びる。2010年以降は世界一に手が届いていないだけに、ヤンキースに最後のチャンピオンリングをもたらした存在として、その活躍は鮮烈にファンの脳裏に刻まれている。そして、常に紳士的で誠実な人柄も絶大な人気を誇る理由の1つだろう。松井氏がヤンキースに入団したことは、運命だったと言えるかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count