米国で現役続行か、日本復帰か それぞれの決断

以前から日本復帰も視野に入れていた黒田と松坂

 2014年シーズンを最後に日本プロ野球に復帰する選手たちが4人いる。オリックスに中島裕之内野手、日本ハムに田中賢介内野手、ソフトバンクに松坂大輔投手。そして広島に黒田博樹投手。MLBで実績のある松坂、黒田は日本に戻らずとも、アメリカ球界に残る道はあっただろう。特に黒田は昨年まで5年連続で2桁勝利をマークし、本人の決断次第ではメジャーで1年20億円程度の契約を手にできる可能性は十分にあった。それでも日本を選んだのは、渡米時から秘めていた信念をぶれずに持ち続けていたからだった。

 黒田はドジャースのローテーションを担っても、ヤンキースで2桁勝利を挙げても、毎オフに引退と古巣への思いの両方に気持ちが揺れていた。「ある程度、マウンドに上がれる状態ならば、そこは野球人としてやらないといけない」と慎重に、そして責任感を持って、進路を決めてきた。今回は広島の熱意と、野球人として広島のファンにもう1度雄姿を見せたいという本人の思いが上回ったのだろう。

「また日本に戻ってやることがあるならば、このチーム(広島)しかない」

 この信念はメジャーで戦っている時もずっと内に秘めていた。その時々によって気持ちの大小はあったにせよ、広島への思いは現役を続けていく上でのモチベーションにもなった。カープも背番号15を空けて待ち、「いつでも戻ってくればいい」と送り出していた背景がある。両者がずっと持っていた“相思相愛”の思いがこのオフに形になった。

 松坂も、最後は日本で、という思いがあった。今季はメッツで先発や中継ぎなどをこなし、3勝3敗の成績。起用法にこだわらなければ、メジャー契約もあり得た。少なくとも2月まで待てば、2013年のインディアンス、2014年のメッツと同じように、マイナー契約でキャンプ参加のオファーがあったはずだ。だが、松坂はホークスの入団会見で「活躍できる自信はある」と話したように、日本に戻ることを決めた。

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