「落合GM体制」は成功か、失敗か 真価が問われる今後の中日
経営の健全化が最優先だった中日、ここ2年の成績による評価は時期尚早
落合GMといえば監督時代、1年目の2004年。「現有戦力の10%底上げ」を掲げ、目立った補強もなくリーグ優勝を成し遂げたことで有名だ。その再現を期待しがちだが、監督とGMでは全く同じ手法が取れるわけではない。当時は春季キャンプでの6勤1休の猛練習などで長いシーズンを戦い抜く体力と土台を築き上げたが、今回は前年度の年俸カットこそが、それにあたるのではないか。
中日は近年、観客動員の減少と人件費の高騰により、球団経営は危機的状況にあったと証言する関係者もいる。補強に動くよりも先に、経営の健全化が最優先だったことは明らかだ。
今オフ、総年俸は微減に留まった。成績と年俸のバランスが適正値に落ち着き、ようやく優勝という次の目標を見据えるための土台ができたとみるべきだろう。
今オフもFA市場で金子千尋、炭谷銀仁朗の獲得に失敗するなど順風満帆とはいえないかもしれない。ただ、落合GMにとっては、ここからの1、2年が手腕の見せどころだ。成功か失敗かの判断を下すのは、それからでも遅くはない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count