イチローはなぜ圏外? MLB歴代ベスト100漏れに米記者が“異論”

「ピーク値だけでも彼のトップ100入りは正当化されると私は言いたい」

「イチローは我々の評価基準を満たせなかったため、候補者にすら入ってない。GAR(代替可能選手と比べてどれだけ偉大か)と名付けられた(独自の)基準によれば、彼は野手トップ150の中にもいないのだ。私はイチローの除外について尋ねたが、ルールはルールで、イチローが日本で達成したことは、ここに影響しないのだった」

 同記者は、イチローが圏外となった理由についてこう言及。さらに、セイバーメトリクスの指標として現在のメジャーで最も重視されているWARを使い、イチローの価値を説明している。(※WARとは打撃、守備、走塁、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標で、そのポジションの代替可能選手と比較し、どれだけ勝利数を上積みしたかを表すもの)

「27歳からMLBでキャリアを始めたにもかかわらず、イチローはキャリアWARで58.8と190位にランクインしている。もちろん、今後これ以上の遥か高みに登ることはないだろうが、ミゲル・カブレラのキャリアWARは59.4であり、彼は(このランキングで)47位に入っている。イチローは衰える前の最初の10年でシーズン平均5.5のWARを積み上げた。ピーク値だけでも彼のトップ100入りは正当化されると私は言いたい」

 このように、イチローはメジャー歴代トップ100に入る価値のある選手だと断言。そして、以下の一文で締めくくっている。

「だから君たちの抗議を送って、来年はイチローを候補者に入れようじゃないか」

 将来の殿堂入りは確実と言われ、資格取得1年目での選出となるかが議論の対象となっている日本の安打製造機。昨季はヤンキースで自己ワーストのシーズンを送り、今オフは去就問題で厳しい状況にあるが、輝かしい実績は色褪せていない。今年はどのユニホームを着て、さらにキャリアを積み上げることになるのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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