【パ×Full-Count】里崎智也の引退セレモニーで原点回帰 「ファンサービスのロッテ」再び

ロッテの黄金期の象徴的存在だった里崎が昨季限りで引退

 ロッテ一筋16年。里崎智也捕手が昨季限りで引退した。里崎と言えば、ロッテが2005年に日本一に輝いた際の立役者の1人であり、黄金期を築いた功労者。昨年9月28日に行われた引退試合にはシーズン最多の3万76人の観衆が詰めかけ、本拠地のQVCマリンが満員となった。引退セレモニーを終えた後も、スタジアム正面のステージ上でマイクを手に熱唱。「終電までに終わりますから。一緒に歌いましょう」と約5500人の前で絶叫し、最後までファンを楽しませた。

 その盛り上がりを目の当たりにした梶原紀章広報チーフは改めて「ロッテの良さは一体感」だと感じたという。ロッテが実力、人気ともにピークだった2005年。それを支えた主力選手の1人が里崎だった。その他、西岡剛、渡辺俊介、今江敏晃、清水直行、小林宏之、小林雅英らが積極的にファンと交流し、「ファンサービスならロッテ」と大きな話題を呼ぶようになった。しかし、そんな球団も観客動員は2008年の1試合平均2万2245人をピークに徐々に減少。昨季は1万6999人と2000年以降最低の数字となった。

 集客の減少傾向には様々な理由が考えられる。成績の低迷や里崎のような主力の世代交代、震災の影響……。だが、それでも球団としての努力は欠かさなかった。「我々としては常にファンの方に来ていただけるようなものを作っていかないと厳しいですから、ほかの球団がやっていない企画やストーリー性があるイベントを意識して作ってきています」と梶原氏は言う。

 2013年には球団から積極的に情報を発信すべく、いち早くユーチューブに球団の公式チャンネルを開設。同年のファン感謝デーで「恋するフォーチュンクッキー」を踊るという企画の動画は視聴回数が110万回を突破。昨年も岡田幸文外野手の頭部に超小型特殊カメラを装着し、飛球をキャッチする際の視点を動画で投稿するなどして、大きな話題を呼んだ。

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