【パ×Full-Count】里崎智也の引退セレモニーで原点回帰　「ファンサービスのロッテ」再び

「手作りでいかに感動を与えられるかがうちの原点」

　ただ、そのような斬新かつ画期的な企画やイベントを手掛けてくる中で、シーズンの最後に里崎の引退セレモニーに熱狂するファンを目の当たりにし、一層ファンサービスの充実を図る必要性を感じたという。

　里崎本人へのサプライズとして、引退試合の5日前には約3000人のファンに江村、田村の若手捕手、応援団も加わって、里崎の背番号「22」を人文字で表現。その模様を撮影し、セレモニー当日に球場内のビジョンで流すと「あんなに事前告知で集めていたら、俺も分かってしまうよ！」と話しながらも、嬉しそうに笑顔を浮かべる里崎がいた。

　選手とファン、球団と地域が一体となることで生み出される熱やパワー。それなくしては全盛期のような勢いや活気は取り戻せない。

「ファンサービスが最も充実していた時の一番象徴的な選手が里崎でした。その時に彼がやってくれたのが試合後の正面ステージでのライブ。最後はそれで終わりたいという思いが本人と僕の中にあって、2人の間で話して、サプライズで終わろうかということになった。

　あれを見て、手作りでいかに感動を与えられるかがうちの原点だと感じました。もっとファンサービスを充実させていきたいですし、今も個性的なものを考えています。常識を変えるものをやっていきたいですね」

　梶原氏はそう語る。

　今後、ロッテがどんな仕掛けでファンを楽しませるのか。そして、里崎のようにファンに愛される選手が新たに出てくるのか。2015年シーズンのマリーンズの挑戦に注目だ。

【了】

フルカウント編集部●文　text by Full-Count