1年前の“騒動”は確信犯? 球界の常識を打ち破る落合GMの挑戦
1年が経った今もグレーゾーンのまま
たとえオフだとしても、選手は2か月間何もしないわけではない。体を休めると同時に、長いシーズンを戦うための準備はその時から始まっている。
技術向上を目指して指導を希望する選手にとっては、成長する機会が損なわれる点。そして『球団』には監督・コーチだけでなく、GMのようなフロントの人間は含まれるのか。制度の存在意義や定義の曖昧さ。第173条のあり方について疑問を投げかける行動だったはずだ。
当時、球団から報告を受けたNPBの熊崎コミッショナーは「球界の実情に合うにはどうしたらいいか」と発言。条文を見直す可能性にも触れていたが、直後の12球団実行委員会では他球団から疑問の声も上がらず、不問に付された。その後は、メディアの話題にも上らなくなった。
落合GMが取った行動の意図を想像すれば、1年が経った今でも真剣な議論がされず、グレーゾーンのままであることに決して納得はしていないだろう。再び同じ行為に出るとは思わないが、また別のルールに対し、異なる角度からアクションを起こしてくる可能性は高い。落合GMの球界の常識への“挑戦”。今年も次なる一手に注目したい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count