マーリンズのイチロー獲得への動きが加速? 「興味が過熱し始めた」

平均24歳のマーリンズ外野陣は盤石も、レギュラーに続く人材がいない

 マーリンズの外野手の布陣は現時点で盤石だ。レフトは23歳のクリスチャン・イェリッチ。昨季は144試合に出場し、打率2割8分4厘、9本塁打、54打点と活躍した。センターは堅守を誇るマーセル・オズナ外野手。24歳の若手は打率2割6分9厘、23本塁打、85打点と長打力も兼ね備える。

 イチローの定位置であるライトは、今オフに13年総額3億2500万ドル(約384億円)というスポーツ史上最高額の大型契約を結んだ25歳のメジャー屈指のスラッガー、ジャンカルロ・スタントン外野手。昨季は、リーグ終盤に顔面直撃の死球で離脱しながら、打率2割8分8厘、37本塁打、105打点をマークした。平均年齢24歳というナ・リーグ屈指の強力な外野陣だ。

 ただ、このレギュラー3人に続く人材がいない。誰かにアクシデントがあった場合に、大きく戦力が落ちてしまう可能性がある。走力と堅守を誇るイチローは外野ならどこでも守れる。百戦錬磨の経験値と昨年も15盗塁をマークしたスピードを誇る安打製造機の加入は、プレーオフ進出を狙うマーリンズに大きなメリットがあるとみられている。

 一方で、イチローの代理人を務めるジョン・ボッグス氏は、出場機会の確保が移籍先の1つの条件となることを明かしている。マーリンズはあくまで控えとして興味をしめしているだけに、この状況を受け入れるかも去就問題決着への鍵となりそうだ。ちなみに、マーリンズはこれまで日本人選手が所属したことがないメジャー2球団のうちの1つ(もう1つはレッズ)となっている。

 ジャイアンツが青木を獲得した現時点で、外野手の補強を表立って進めていると報じられているのは、オリオールズ、マーリンズ、ブルージェイズ、そして、レイズ程度。先発外野手を探しているオリオールズはイチローにも興味を示していたが、地元紙ボルチモア・サンによると、ブルージェイズからFAとなっていたコルビー・ラスマス外野手にオファーを出したというが、ラスマスが年俸700万ドル(約8億2300万円)以上を要求しているために、合意には至っていない模様。ラスマス次第でイチローにオリオールズ移籍が再浮上する可能性も出てくる。

 来月のスプリングキャンプに向けて再び白熱する移籍市場で、イチローの去就問題も一気に加速するだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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