得点力を効率よく高める補強をしたチームはどこ?(パ・リーグ編)
ギャップの小さなソフトバンクと大きな楽天
最初に昨年パ・リーグで得点が最も多かったソフトバンクと、得点が最も少なかった楽天の攻撃力の構成を比較する。
図は、各チームの100打席以上打席に立った打者を拾い出し、横幅を打席数、高さをwOBA(Weighted On-Base Average)に合わせ、グラフを描画し並べた。1つの棒(長方形)が1人の打者の成績を表す。
wOBAはOPSのように打者の出塁力、長打力双方を考慮した、攻撃力を総合的に示す指標と考えていただきたい。100打席未満の打者は、成績を合算し水色のグラフとして描画した。この幅が狭いチームは打線を少ない選手で固定できていたことを意味する。
ソフトバンクは平均以下のwOBAを記録した選手が少なく、また100打席未満の選手の打席は楽天に比べ半分くらいに抑えているのがわかる。楽天は平均以下のwOBAを記録した選手がソフトバンクよりも750打席ほど多い。濃い水色の領域の差がそれを表している。
ソフトバンクはこのオフ打者の入れ替えをほぼ行っていないが、攻撃を断ち切るギャップはもともと小さく、問題はなさそうだ。
楽天は赤いグラフで示したアンドリュー・ジョーンズ(581打席)、ジョン・ボウカー(230打席)の両外国人が退団した。2人の抜けた穴と平均以下のwOBAの打者が立った約2000打席というギャップを、補強によってどの程度埋められるか。打者の補強は現在のところ新外国人のギャビー・サンチェスとゼラス・ウィーラー、山崎浩司に留まっており、ギャップを埋めるという観点からはややコマの数が足りないように映る。