本塁打増へ、ソフトバンク柳田悠岐に2つの“武器”
“師匠”糸井との自主トレで鍛え上げた肉体
更なる覚醒が期待される大砲が、スケールアップして戻ってきた。21日から、福岡市内にある西戸崎の室内練習場での自主トレを行っているソフトバンクの柳田悠岐外野手。2015年に入り、初めて福岡で練習を行ったその肉体は、一回り大きくなったように映った。
年明けの1月6日から、柳田はチームメートの牧原とともに、昨季から参加しているオリックスの糸井の浜松自主トレに同行。午前中は9時過ぎから練習を開始。時に近くの中田島砂丘でのランニングを行うなど、徹底的な走り込みや肉体強化に時間を費やすと、午後からはボールを使っての技術練習。それが終われば、また筋力強化と、1日7時間を越えるハードな練習を10日間、休みなく行ってきたという。
「勝てないですね、あの人には。あんな人見たことない。動きとかおかしいですもん。走るのも、打撃も、守備も、投げるのも、すべてにおいて凄いと思った」という師匠・糸井の下での自主トレは「キツかったです。めっちゃ走りました。足がもげそうだった。しっかり走って、体幹の強化。その反復で、毎日が筋肉痛」だったという。
こう苦笑いで振り返る浜松自主トレを15日に打ち上げると、地元広島へと戻り、20日までは広島の堂林らとともに汗を流した。そこでも、練習は走り込みなどの下半身強化が中心。その結果、昨季終了時は91キロだった体重は97・5キロまで増えた。
昨季は打率3割1分7厘、15本塁打、33盗塁と、キャリアハイの数字をマーク。侍ジャパンの小久保裕紀監督が現役時代に背負った背番号「9」を継承した今季は、トリプルスリー(3割、30本、30盗塁)の期待がかかる。そのためには、何よりも本塁打増が必須。ただでさえ並外れたパワーを備える柳田だが、自主トレで更なるパワーアップを遂げた。
となれば、必要となるのは、強化されたパワーを、ホームランへとつなげる技術。その部分でも、確かな手応えを感じ始めている。