イチローは「世界的な野球の象徴」 契約はマーリンズに最適も本人には?
「イチローはすでにクーパーズタウン行きのチケットを手にしている」
一方で、イチローサイドのメリットはあまりないという。具体的には、イチローが「ワールドシリーズでの勝利を欲した上でマーリンズがそれに相応しいと感じた場合」か、「今オフに思うようにメジャー球団から興味を引くことができず、限られた選択肢の1つを選んだか」のどちらかでないと、マーリンズとの契約には至らないはずだというのが、記事での考察だ。
イチローは今季までに日米通算4122安打をマークし、ピート・ローズ氏が持つ歴代最多安打記録まで134本に迫っている。米国だけでも通算2844安打で、3000安打までも156本と記録の更新に期待がかかる。しかし、1年で双方を達成するためには最低でもレギュラーで戦える環境が不可欠であり、それ以外の起用法であれば2年以上がかかる可能性が高い。
「彼はただ(3000本安打達成のことは)気にしていないのかもしれない。彼はすでに(米国野球殿堂のある)クーパーズタウン行きのチケットを手にしているのだ。仮にもし気にしてないならば、(この契約は)彼にとっても成功だった。そうでないなら、選手・イチローにとってマーリンズ加入は意味をなさない」
記事はこう締めくくられている。これまでの活躍や野球への心構えから“メンター”としての素質にも高い評価を与えられながらも、現時点では選手として厳しい評価を突き付けられたイチロー。その胸中は今のところ明かされていないが、数々の偉業を成し遂げてきた天才打者は、新天地で迎える新シーズンにも万全の準備を整え、自信を持って臨むはず。昨季もヤンキースで開幕前に厳しい立場に置かれながら、実力で出番を勝ち取っていったベテランは控え外野手としてスタートするシーズンで、どんな逆襲劇を見せてくれるのだろうか。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count