リーグ4連覇を目指す巨人　原監督の「チーム解体」の狙いとは

ベテランに「頼らないチーム作り」へ、「改革」の行方は？

　巨人軍は常に強くなくてはいけない。原監督が掲げるのは、この先のチーム作りを見据えての「解体」だ。3連覇したチームであっても、主力選手たちは年を重ねてきている。円熟期を迎えた選手も中にはいるが、頼ってばかりはいられない。「解体」という言葉を用いて主力に頼らないチーム作りをすることを掲げた。次期監督候補とされる高橋由伸外野手がコーチ兼任となる今季、次世代のチームの主力も育てていかなくてはいけない。

　若手に期待する一方で、阿部だけでなく、村田修一内野手、内海哲也投手、杉内俊哉投手など、投打でチームを引っ張ってきたベテラン選手の名前をあえて出し、「彼らに頼らないチーム作り」を打ち出している。これまでの功労者である彼らの力なくして、今年の優勝はあり得ない。原監督はあえて突き放し、発奮も期待している。そうすれば選手寿命も延びる。

　昨季精彩を欠いた4人は復権に燃えている。村田は「引き締まる思いでいる」と言う。杉内も「やっぱり杉内と呼ばれるような投球ができるようにしたい」と抱負を明かし、新しいシーズンの開幕を楽しみにしている。ここまで第一線で戦ってきた選手たちが黙っているわけにはいかない。

　原監督はこうした選手の心理を言葉で巧みに動かし、チームの力に変えてきた。巨人が世代交代をしながら、日本一奪回、リーグ4連覇をなし遂げられるのか。それとも将来の主力候補となる期待の若手が伸び悩み、苦戦するのか。「改革」の行方に注目が集まる。

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フルカウント編集部●文　text by Full-Count