【パ×Full-Count】今年も「球界初」を導入 楽天が続けるスタジアムづくりの根底にあるもの

「ボールパーク構想」に基づいたスタジアムづくり、「ワクワクするか」が基準

 コボスタ宮城は、球団創設当時から「ボールパーク構想」を基本に発展してきた。米国のスタジアムを参考にしながら、オフの度に新たなシートや施設を追加する。毎年行われる大々的な改修は、ファンにとっての1つの楽しみにもなっている。

「モチーフとしては、アメリカのスタジアムというのはもちろんあります。毎年、誰かが新しく改装されたアメリカのスタジアムに行って、何か取り入れられるものがないかを探す。そのいいとこ取りをしているというのが、実際に我々がやっているところなんです」

 大石部長はこのように意図を明かすが、ただの真似事ではないという。実際に、イーグルスドームのような「多目的ドーム」はメジャーにもないものだ。根底にあるのは、スタジアムを訪れたお客さんに、いかに楽しんでもらえるかというサービス精神。野球を満喫してもらうのは当然として、それ以外の部分でも満足してもらいたい。これが立花陽三社長以下の球団としての意思だ。

 大石部長は「立花は投資ものとか大きなデシジョン(決定)をするときに『ワクワクするか』という基準で決めようとするんです。なので、我々もそういう思いは大切にしようと思いますね」と言う。

「アメリカと同じものを丸ごとつくりたいわけでは別にないんです。どうしても野球の試合なので、雨が降ったとか、寒いとか、勝ったとか、負けたとか、色々あるじゃないですか。そういう不確定じゃない要素の中でも、少しでも楽しんでいただくことができるようにしたいというのが、結局のところ我々のやりたいことですね。新しい席にしろ、スタジアムの外周に何かをつくるにしろ、それは意識しているところではありますね」

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