【パ×Full-Count】今年も「球界初」を導入 楽天が続けるスタジアムづくりの根底にあるもの
日本一を争う席種の多さ、新たなアイデアは尽きない
観客のニーズに応えるため、コボスタ宮城には多くの席種が存在する。その数は広島のマツダスタジアムと日本一を争っており、3位以下を大きく引き離している。まさに日本屈指の豊富さだ。大石部長は、球団としての意思決定の早さについて「早いは早いでしょうね」と言う。そのスピード感がニーズに応えることを可能にする。
成果は数字に表れている。本拠地の観客動員数は年々、伸び続けており、昨年も年間145万233人と最多を更新。1試合2万人と算出し、シーズン前に目標に掲げていた144万人を見事に突破した。今年は1試合2万2000人で年間156万人を目指す。ピクニックのように家族などのグループで観戦できる「ピクニックボックス」、仙台名物の弁当が付いてくる「牛たんシート」など、さらなる動員数アップに向けた新たなアイデアは尽きない。
「冷静に分析すると、(2013年の)優勝が一過性ではなくて、多くの皆さんにとってチームのバリューアップになったんだということですね。イーグルスを応援してほしい。ただ、その一方で全員が野球好きじゃなくても別にいいかなとも思うんです。一生懸命、野球を近くで応援したい、近くで見たい。外で遊びたい。関係なくドームで盛り上がりたい。レストランでゆったりしたい。そういう色んなニーズを取り込めるようになっているほうがウチらしくていいかなと思っています」
今後、コボスタ宮城がどうあるべきかについて、大石部長はこう明かす。楽天らしく柔軟に、大胆に、そして素早く。ファンを満足させるスタジアムづくりは続いていく。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count