ソフトバンクに新たな風 キャンプ序盤から際立つ「工藤流改革」
指揮官が考える「最もチーム力を低下させること」は?
「野球選手でも、心肺機能は持っていないといけない。心肺機能は回復力につながる。やることで、毛細血管が広がる。色々なところに血流がいくし、毛細血管が広がることで、肉離れもしにくくなる」
ただハードな長距離走を課したわけではなく、ケガの予防や、選手の疲労回復が促進されることを期待してのもの。選手には、オフ中に、このメニューが課されることが通達されており、自主トレ期間中から、各々が練習してきた。その間にも、指揮官が狙った効果は生み出されてきているはずだ。
キャンプ2日目には、投手陣に約150キロある巨大タイヤをひっくり返す、タイヤをハンマーでたたく、というメニューが与えられた。全身運動を狙ったもので、工藤監督は「腕も、足も、背筋も、バネも使う。全身運動。ああいうのは、大事」と説明した。
指揮官に就任するまで、筑波大学大学院人間総合科学研究科でスポーツ医学を学んできた指揮官らしい、メニューの連続。「何がチームの戦力を1番下げるのかと言うと、ケガをして、離脱すること」と話しており、選手の負傷には人一倍の注意を払っている。その効果か、3日までの第1クールでは、負傷者は出なかった。今後も、新たに出てくるであろう工藤流トレ。ディフェンディングチャンピオンのソフトバンクに、新たな風を吹き込ませている。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count