【パ×Full-Count】本当の“地域密着”とは? 北海道と共に戦うファイターズの成功を支えるもの
札幌から離れた地域も一緒に…「ファイターズは北海道のチーム」
またもう一つ、ファイターズは面白い取り組みを行っている。それが「北海道179市町村応援大使」という企画だ。北海道には179の市町村があり、一つ一つの市町村に対して選手が二人ずつ大使に就任し、1年間その街を応援していく。限定ユニフォーム着用時には,
クジ引きを行って、当選した街の名前がユニフォームの袖に記載される。
イベント開催時には各市町村自慢の一品を集め、「なまらうまいっしょ! グランプリ」を開催。各市町村のグルメ・食材が札幌ドームに集結し、各市町村担当の選手たちもそのグルメを熱烈に応援する。佐藤氏は応援大使の企画についてこう話す。
「北海道はほとんどの機能が札幌に集中しています。都市部なので当然、インフラは整っていますが、ファイターズはそうじゃない、北海道という名前のチームですから、札幌から離れた地域でも一緒に頑張ろうというメッセージをお伝えしていきたい。
自治体の方々にも、実際に球場へ来てもらって飲食店の展開を行い、球団と一緒にビジネスをやる。実際にイベント期間中は12万人もの来場者数がありますから、このグランプリでも売上はかなりの額になります。北海道は広いですから、札幌からかなり距離のある自治体も多数存在します。近場ならまだいいですが、昨年グランプリに輝いた中標津町は本当に遠いです。1位になってくれて良かったなと(笑)。
それは冗談としても、ファイターズと組めば良いビジネスができると、感じてもらえれば有り難いですね」
地域密着と一口に言っても、そこに対するアプローチは様々だ。ファイターズは具体的な試みを続け、それが地元の人々に受け入れられてきている。
最後に佐藤氏は、今後の展望を以下のように語った。
「WE LOVE HOKKAIDOシリーズの期間とエリアを拡大していきたいと考えています。いまは札幌ドームだけで展開していますが、ファイターズは函館、旭川、帯広でも試合を行っているので、そちらでもやれないかと検討を進めています。ファイターズは、北海道のチームですから」
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count