馬原孝浩、“脳に刻まれた怖さ”との戦い 完全復活へ「芽が出てきた」

「肩を手術した時に『もう一回花を咲かせる』と決めたんです」

「試合やブルペンでは普通に投げている感覚ですが、やっぱり肩を手術する前のフォームとは違う。だから去年までは見やすいボールになっていた。今年は自分のフォームに戻すことを目的にしてやっている。脳が怖さを忘れてくれれば、そう思って今までやってきた」

 無意識に右肩をかばいながら投球していたことで腕の振りが縦回転から横回転に変わり、打者からは「打ちやすい」ボールになっていたという。その残像を消し去るためには何度もブルペンで投げ込み、元のフォームを思い出させる必要があった。

 右肩手術をしてからは個人トレーナーを雇い、体のケアを徹底した。12年から3年間、休むことなく続けることで体に対する知識、トレーニング方法などを得ることが出来た。

「自分の引き出しが増えたことは本当にこれまでやっていてよかったと思う。肩を手術した時に『もう一回花を咲かせる』と決めたんです。ようやく芽が出てきた」

 天国と地獄を味わった男が再び大輪の花を咲かす日は近い。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY