巨人・大竹寛が抱く黒田博樹への感謝
巨人移籍時も「お前の決断なんだから」と応援してくれた黒田と初対戦へ
黒田が抜けた2008年シーズン、大竹はその跡を継ぐように、開幕投手を務めるまでに成長。先輩からは渡米した後も気にかけてもらい、「勝ち星数の勝負をしよう」と持ちかけられた。黒田はドジャースでの白星、大竹は広島での白星で争うというものだった。環境も違えば相手のレベルも違う中、黒田がそんな勝負を持ちかけた裏には、少しでも後輩の発奮材料になればという思いもあったのかもしれない。
メジャー1年目の黒田は9勝10敗、大竹は9勝13敗で引き分けに。一方、2009年は黒田の8勝7敗に対して大竹は10勝8敗と勝ち星が2つ多かった。すると、大竹はオフに黒田から高級時計をプレゼントされたという。感激したのは言うまでもない。
巨人に移籍した後も「お前の決断なんだから」と応援してくれた。日本とアメリカで距離が離れていても、ずっと気にかけてくれた。そして、今年はその尊敬する先輩と初めて対戦することになる。複雑な思いもあるが、大竹は黒田に投げ勝つことが、成長した証しになると考えている。
刻々と迫る勝負の時。黒田はまもなく、日本へ帰ってくる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count