球数制限の是非は 対照的な調整を見せるオリックス佐藤達也と金子千尋
「一生に投げられる球数は決まっている」という金子
プロ入り後も春季キャンプでは毎年、約2000球を投げ込みシーズン入りする。周囲は驚くするが本人にとっては“当たり前”のこと。現在までに目立ったケガはなく、プロ4年目のシーズンに挑もうとしている。
一方、チーム内には佐藤と真逆の考えを持つ投手もいる。昨年末に右肘を手術し、現在リハビリ中のエース金子千尋がその一人だ。
「一生に投げられる球数は決まっていると思う。無駄な球はできるだけ投げたくない」
シーズン中も調整のためにブルペン入りはしない。独自の感性を持つ金子はキャッチボールでフォームを固めることも可能で“無駄球”を無くし、試合に100%の状態で臨むことに重点を置く。
考え方は多種多様。プロ野球はいつからか先発完投型から先発、中継ぎ、抑えの分業制へと様変わりした。周囲からは勝てば「美談」として取り上げられ、負ければ「酷使」と批判されて問題視される。答えのない永遠のテーマを佐藤達也がぶち破るかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count