“日本仕様”に近づく松坂大輔 「143球」の投げ込みで見せた進歩の跡
佐藤投手コーチも評価、「数段良くなっている」
「疲れてから自然な動きが出てくることがあるので、それも狙いの1つでした。最後のほうに良い動きが出てきたので(143球で)やめました。疲れているときに投げておきたかった」
投手が100球や200球といった投げ込みを行うことには肩のスタミナをつけるという意図のほかに、体が疲れた状態になると余計な力が抜け、体全体を使った理想的なフォームになることがあるという側面も。松坂といえどもそれは例外ではなく、実際にこの日の終盤では手応えを感じたという。
新たに試みたこともある。これまで、6足半だったステップ幅を、この日は6・75足まで広げて投球した。これまででは西武時代の終盤に試したことがある程度で、メジャーでは6足半、短い時では6・25足だったという。これについては「やってみようかな、と。今日はいけそうだったので。次もやるかは分かりませんけど……。打者にもう少し近いところで離せればいいかな、と」と説明した。
この日の143球を「なかなかタイミングが合わなくてイライラすることもあった。もう少し時間はかかりそう」と振り返った松坂。「球自体はひどかった」というが、その表情に危機感は感じられなかった。
それは、キャンプ序盤に肘が下がり、体が開いていた投球フォームが、明らかに変わってきたことへ手応えを感じているからではないか。現に見守った佐藤義則投手コーチは「初日のキャッチボールに比べれば、数段良くなっている」と言った。
まだ「2015年版・松坂大輔」は発展途上。キャンプ、オープン戦を通じ、改良に改良を重ねていく。その作業はシーズン開幕まで続いていく。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count