侍ジャパン・小久保監督が松坂、黒田ら「メジャー帰り選手」の今後の招集示唆

メジャー帰りの選手がチームにもたらすメリットは?

 メジャー帰りの選手が1人でもいれば、国際経験の少ない選手への先導役になる。黒田、松坂も異国の地でのプレーを経験し、球場によって異なるマウンドの傾斜、気候によって違うバッターのボールの飛距離、完全アウェーの洗礼……と、さまざまなことに対応してきた。メジャー球団にはアメリカ、カナダ、ドミニカ、プエルトリコ、ベネズエラ、メキシコ、オランダ、韓国、台湾など様々な国と地域から選手が集まる。選手の特徴を知っていることが大きな武器でもある。

 また、若い選手と同じ日の丸のユニホームを着て戦うことが、日本野球の未来にもつながる。

 昨年のことだった。MLBのヤンキースとメッツがシーズンで対戦した際、練習中のグラウンドでヤンキースの田中将大投手、黒田、メッツの松坂が3人で話をしていた。話題はボールの握りへと展開。人差し指と中指でボールを挟みながら、スプリットについて話をしていた。スプリットを武器にする3人はそれぞれ、握りや指からのボールの抜き方がそれぞれ違うという。打者の手元でストンと鋭く落ちる田中のスプリットに松坂が興味を示し、握りの話になったようだ。

 このようにこれまで交わることのなかった選手たちがベンチやロッカーで会話できるのもナショナルチームのメリット。若い選手にとってみれば、これ以上ない勉強の場にもなる。経験豊富で、なおかつ周囲が認めるような成績を残した選手がいることは大きなプラスだ。今季、黒田や松坂が期待通りの活躍を見せ、再び日の丸を背負うことがあるのか。今季の戦いに注目したい。  

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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