「謝罪」のA・ロッド、更正への一歩となるか 新たな火種生む可能性も
通算本塁打ボーナスが新たな火種に?
ヤンキースはあくまで「25選手のうちの一人」として扱う考えを示しているが、それは難しそうだ。
通算654本塁打を放っているA・ロッドは往年の名選手ウィリー・メイズの660本塁打にあと6本に迫っており、到達すれば600万ドル(約7億円)のボーナスを受け取る契約を結んでいる。これが新たな火種となるかもしれない。というのも、ヤンキース側は薬物使用を理由に支払う意図がないことを公表しており、A・ロッド側が再び訴訟に出る可能性もあるからだ。
あと3年の契約を残している39歳が健康を保ち、メイズの記録に近づくたびに、メディアによるA・ロッド狂想曲は周囲や本人が望まなくても奏でられるだろう。その過程で、A・ロッドがどういう対応をするかで今後の評価が決まる。
チームの一員としての振る舞いができるかどうか。自身の記録ではなく、勝利のために自己犠牲を払う姿勢を示せるのか。内容はともかく、謝罪という正しい方向へ踏み出した。あとは言葉ではなく、行動で示せるかどうかにかかっている。
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伊武弘多●文 text by Kota Ibu