黒田博樹とカープ 両者がもたらし合う“変化”が早くも浮き彫りに

緒方監督も「(黒田を)見て勉強してほしい」

 初日にブルペンで黒田のボールを受けた26歳の會澤翼捕手は、今季の躍進が期待される若手。投球練習後、笑顔で會澤の元に歩み寄った黒田は、自身のボールについて率直な感想を求めたという。現在の状態を知りたいということは当然、大きな目的だったが、會澤が遠慮することなく、しっかりコミュニケーションを図れるようにしたいという意味もあったはずだ。

「僕も(ボールを受けるのは)初めてだったので、緊張していました」という若手捕手は、14歳年上の黒田との練習後の会話について「本当に話しやすかったです。冗談も言いながらでした」と振り返っている。

 そして、ツーシームやカットボールといった打者の手元で動く球種のキレに感嘆したことを明かした上で「試合で組むようになった時に、しっかりコミュニケーションを取らないといけない。年齢とかじゃなくて、勝っていくためにやらないといけない。僕が気を遣っている場合じゃないので、割り切ってやっていきたい」と自覚をにじませた。

 さらに、最後には「1球の大切さが伝わってきました」とも感想を表現している。8年ぶりに帰ってきた右腕から得られるものはやはり大きく、早くも好影響が出ている。

 昨年、ヤンキース1年目だった田中将大投手はキャンプから黒田のさりげないサポートを受け、メジャーに適応しようとする中で必要と考えれば、大先輩にアドバイスを求めた。田中が高い適応能力を備えていたことは“衝撃デビュー”の大きな要因だが、その裏側に黒田の存在の大きさがあったことは確かだ。

 現役時代にチームメートだった緒方監督は「黒田も積極的に周りに声をかける努力はするだろうけど、選手が本当に気を遣わないでコミュニケーションをとって、聞きたいだけじゃなくて、投手陣に関しては色んな調整方法とかを見て、それによって勉強してほしい。何でもかんでも教えてもらうじゃなくてね」と言う。

「今までとちょっと違う」気持ちでキャンプを送る黒田から、何をどのように吸収しようとするのか。24年ぶりの優勝を目指す広島ナインにとっては重要なテーマとなる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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