ダルビッシュが中6日で先発し続ければ、サイ・ヤング賞を獲れる?

レンジャーズには難問?「ダルビッシュを28試合に先発させるのか、32試合に投げさせるのか」

 カーショーの場合は中4日を基本にこの成績を残したことが驚異的と言えるが、仮にダルビッシュが中6日で登板し続けてシーズン26~28試合程度の登板に終わっても、過去2年のデータ通り圧倒的な成績を残せば、サイ・ヤング賞を獲得できる可能性はあるというわけだ。

 もちろん、これは机上の空論であるし、データには中6日を超える登板間隔の試合も含まれる。しかも、メジャーでは1登板あたりのイニング数が少なくなっても、いい投手により多くの試合で先発してもらいたい、というのが基本的な考え方だ。スター選手が投げることで観客動員につながるというのも大きい。

 昨年、負傷者続出に苦しめられたヤンキースは、今季開幕直後に6人制ローテの導入を検討していると報じられている。ただ、メジャーではアクティブ・ロースターの枠が25人と日本の1軍登録人数より3人少なく、6人制ローテの導入には壁が多い。ヤンキースもシーズンを通して続けるわけではないようだ。

 「ダラス・モーニング・ニュース」では、メジャー4年目のダルビッシュはまだ日本プロ野球からの移行期間にあると指摘。日本の方が先発投手の登板間隔が長いことを説明した上で、メジャーでの過去2年間の成績から「ダルビッシュは余分な休みを与えられた方が、ベストのパフォーマンスを見せている」としている。

 一方で「それはレンジャーズに難問を突きつける。彼らは(十分に)休みの取れたダルビッシュを28試合に先発させる方がいいのか、可能な限りマウンドに上がらせて32試合程度に投げさせる方がいいのか」とも言及。特に、今季初めてMLB球団を指揮するジェフ・バニスター新監督にとって、これは極めてデリケートな問題だという。

 新指揮官は現時点でダルビッシュに「全ての先発を全うしてほしい」と要求しており、エースには先発ローテ5人制でのフル回転が求められることになりそうだ。それでも、仮にダルビッシュが毎試合、十分に休みを取り、コンディションの整った状態でメジャーのマウンドに上がった場合、どんなピッチングを見せ、どんな年間成績を残すのか、1度は見てみたい気もするが……。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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