巨人ドラ1ルーキーが開花の兆し 高校通算73本塁打・岡本は何がスゴイ?
「松井や坂本らいい打者が持っている特徴」を持っているルーキー
首脳陣によると「フォームを直すところがほとんどない」という。金属バットを使ってきた高校生はボールを遠くへ飛ばそうとして、腕の力を前方に勢いよく押し出す傾向にある。向かってきたボールを「打ちにいく」感覚だ。多少、芯から外れていても飛ばすことが可能で、それでも強い打球が打てる。
しかし木製バットになると、そのフォームではまず芯でとらえないとボールは飛ばない。とらえられても、腕力だけに頼った打撃や「打ちにいく」スイング軌道ではバットがボールに触れている時間が短く、遠くへ飛ばすことは難しい。
あるコーチは「普通の高卒新人はボールをたたきにいくんだけれど、岡本はそうではない。肘をうまく入れて、腰で払うイメージ。少し内角で差し込まれても、バットが体の内側からしなるように出ているから、つまらされずに芯でとらえられる。松井(秀喜)や坂本(勇人)など、いい打者が持っている特徴」と話す。プロ入りした選手にはまずこのような理想のフォームをたたき込むが岡本はすでにできており、教える必要がなかったのだという。
岡本は「とにかくバットを振っていた」と高校時代から木製バットで素振りを繰り返してきたことを明かす。昨年出場した第10回U―18アジア野球選手権(バンコク)でも木製バットで5割近いアベレージを残し、プロのスカウトから「木のバットも十分対応できている」と高い評価を受けていた。木製バットへの対応力、体の使い方に岡本の良さが詰まっている。
あとは実戦を積み、体力をつけること。1軍レベルの投手の配球、変化球のデータを頭にたたきこみ、いかに引き出しを増やしていけるかが鍵となる。守備や走塁の向上も必要だ。
2軍キャンプ終盤では1試合無安打の試合もあり、今はプロのレベルの高さを痛感しているところ。打撃だけでは活躍できない。だが、真面目な練習態度やその潜在能力を見れば、1軍で活躍する日はそう遠くはないのかもしれない。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count