松坂大輔が振り返るオープン戦初登板、浮かび上がった不安と希望

「最後のイニングでそこそこのボールが行きだしたのは、いいきっかけになる」

 フワフワ感から抜け出し、ようやくピッチングらしくなった。シュート回転していたボールはあったが、球の勢いは1、2回より上がり、フォームも力強くなった。昨季、アメリカでも最速は150キロ超をマークしており、140キロ台後半の真っすぐを投げられるということは分かった。

「全体的にいえば、良くなかったです」。初の実戦マウンドをそう総括した松坂。まだ球のバラツキがあり、投球フォームも安定していない。宮崎キャンプ終盤、右手親指と薬指にマメが出来たため、投球練習が出来なかったことも影響しているだろう。

 初マウンドを終えると、様々なメディアで、様々な評価の声が飛び交っていた。あえて言えば、調整登板の場を1試合踏んだだけである。この1試合だけを参考には出来ない。久々に実戦で投げた投手を、その1試合だけでは評価しきれないだろう。

「まだ3月頭ですし、まったく気にしていないですけどね。最後のイニングに限ってですけど、そこそこのボールが行きだしたのは、いいきっかけになるかなと。新たに出てきた問題はない。実戦で、打者に対して投げていくことで、自然と状態は上がっていくと思います」

 こう語った松坂の次回登板は10日の巨人戦(長崎)となる模様。開幕までにはこれを含め、あと3試合の登板機会がある。果たして平成の怪物は輝きを取り戻せるのか? この結論を出すにはまだ、しばらくの時間の猶予が必要だろう。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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