苦しむ中日・吉見、復活への鍵とは エースは“焦り”を自制できるか

元々は「長く野球が続けられるように」と決断した手術だけに、我慢も必要?

 “誤算”は昨年の復帰時期だった。一昨年の6月、右肘の内側側副靱帯再建手術を受けた。トミー・ジョン手術と呼ばれるもので通常、復帰までに1年~1年半を要するとされる。あるプロ野球OBは「トミー・ジョンには復帰までの細かいプログラムがある。そのステップを着実に踏んでいけば、高い確率で復活できるが、途中で投げられるな、という感触が出てきたとしても、焦って早めることだけはしてはいけない」と指摘する。

 吉見の1軍復帰は昨年7月8日のヤクルト戦(神宮)だったが、5月1日の2軍戦で術後初登板を果たしている。登板3試合で訴えた右肘の張りは、手術の部位そのものが悪化したものではない。「1年」の過程を早めたことが少なからず影響していると見られる。

 元々は「目先のことより、長く野球が続けられるように」と決断した手術だ。昨季の失敗は苦い教訓として刻まれているはず。今季は開幕投手を目指すと公言しているが、コンディションが伴わないと感じれば、我慢も必要になる。エースの責任感が生む“焦り”をいかに自制できるかが、復活への鍵を握るかもしれない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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