ヤクルト奥村の評価は? 人的補償の19歳が“品評会”で見せた輝き
「1度は見てみたい」真中監督の思いで実現した奥村の1軍合流
衝撃を与えるには十分過ぎる一打だった。3月18日の阪神との練習試合(神宮)。2点リードの7回無死3塁で打席に入ったのは、巨人にFA移籍した相川の人的補償としてヤクルトに加入した奥村展征だった。
マウンドには阪神の最速153キロ右腕・松田遼馬。
「真っすぐが速くて、自信を持って投げてきていたので、とにかく合わせるので精いっぱいでした。でも最後は、その真っすぐをとらえられたので良かったです」
フルカウントからファウルで2球粘った後の8球目。143キロの直球を振り抜くと、鋭い打球は右翼線を抜けていった。2塁に到達した19歳は、まだ幼さを残す顔を崩して、白い歯を見せた。
奥村のための“品評会”だった。春季キャンプから2軍で研鑽を積み、17日の古巣・巨人との練習試合(神宮)から1軍に合流した。だが、実力を評価されてということではなく、真中監督の「自分の目で1度は見てみたい」という思いから実現したもの。試合後には、1軍首脳陣と2軍首脳陣で今後の育成方針を決める「育成会議」が予定されていたこともあり、それに合わせて昇格した形だった。