米メディアが注目する田中将大の変化 「球速低下」に隠された進化とは
昨年チームメートだった黒田も、メジャー移籍当初にツーシーム主体の投球スタイルに
また、MLB公式サイトは「ツーシームの向上に取り組んでいるタナカ」と題して特集。記事によると、田中は昨年、全投球の21.34%にあたる426球のフォーシームを投げ、ツーシームは19.49%の389球だったという。ただ、7月に右肘靭帯部分断裂で離脱し、約2か月半のリハビリを経て復帰した終盤戦の2試合では、ツーシームとスプリットの割合が増えていたことを指摘。すでにそこで変化が見えていたことを示唆しているが、ツーシームの割合は今季、一層、増えることになりそうだ。
さらに、この日はスライダーの球速が78マイル(約126キロ)程度になることが多く、通常よりも5キロ以上遅かった。これについては、田中は「ハードに投げていないだけ。腕を思い切り振って投げたら負担は大きいので。そういうところです」と説明。「レギュラーシーズンでも続けていくのか?」と聞かれ「ほとんど投げないと思いますよ」と答えている。
あらゆる要素、可能性について考え、進化していく。田中らしい取り組みが続いていると言えそうだ。
メジャーでツーシームを有効に使う。この田中の変化は、日本時代に豪速球投手だった黒田が、2008年のメジャー移籍後に自身の直球だけでは強打者を抑えられないと考え、ツーシーム主体の投球に変えていった姿と重なるものがある。
メジャー1年目の昨年、チームメートとして多くの時間を過ごした先輩右腕には、田中も絶大な信頼を寄せていた。この変化が、田中がメジャーでも偉大な投手として地位を築いていくための鍵となるかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count