開幕メジャーかマイナーか ボラス代理人が吠えた、超有望株を巡る問題

過去にもあったボラス氏と同様の問題提起

 この球団が登録日数を操作する方法は、今回が初めての例ではない。昨年はアストロズがジョージ・スプリンガーを4月16日にメジャー昇格(デビュー)させ、2012年にはナショナルズがブライス・ハーパー(4月28日)、2009年には同じくナショナルズがジョーダン・ジマーマン(4月20日)に対して同じような操作をしている。そのたびに代理人が問題提起をし、選手会も遺憾の意を示し、今後の検討課題にすると話している。

 今回のブライアントの場合、打撃がメジャーレベルに達していることは疑う余地はないが、実は三塁手としての守備にやや難があることが1つのポイントだ。

 たとえ開幕をマイナーで迎えることになったとしても、球団は「マイナーで守備力をつけてほしい」という至極真っ当な理由を掲げることができる。だが、守備に目をつぶっても、メジャー25人枠に入れるだけの価値ある打撃というのが、他球団のスカウトをはじめメジャー関係者に共通する意見だ。

 周囲の予想通り、ブライアントは開幕をマイナーで迎え、4月下旬にメジャー昇格を果たすのか。あるいは、メジャーの開幕ロースターに名を連ねるのか。カブスの判断に注目が集まる。

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

佐藤直子 プロフィール

群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。

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