敦賀気比のエース平沼の凄さとは? なぜ「日本一打線」は封じられたのか

バッターボックスで余裕を奪われた仙台育英の打者たち

「足を上げるしぐさが(ほかの投手とは)違う。タイミングが取りにくい」

 4打数1安打で1三振と打ち崩せなかった平沢は、このように振り返る。

 平沼は左足を大きく振り上げると、その膝は首もとまで上がり、一瞬、背中を丸めるような状態になる。そこからため込んだパワーを放出するように、素早い腕の振りで快速球を投げ込んだ。この独特のフォームに苦しんだというのだ。

 さらに、平沼は持ち前の制球力でストライクを先行させ、すぐに追い込む。打者がタイミングを掴むより先に、バッターボックスでの余裕を奪っていた。

 平沢は「ボールをじっくり見ていこうと思ったら、ビシバシとストライクを決められた。自分の経験の中でも、トップクラスのいい投手だと思いました」と相手エースに脱帽した。

 昨秋の日本一軍団をも惑わせた投球フォームに加え、抜群のコントロールを誇る。初の甲子園制覇を目指す敦賀気比。エースとして牽引する平沼を攻略できるチームは、現れるのか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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