イチローにも憧れる23歳 首位打者候補の日系3世は“マーリンズ版ジーター”

ジーターと重なるイエリッチ、同僚イチローの存在に「とても勉強になる」

 子供の頃に憧れた選手はヤンキースで5度のワールドシリーズ制覇に貢献し、昨季限りで引退したデレク・ジーターだという。イエリッチは「彼は誰もが認める勝者。選手としても万能だし、チームに貢献しようとする姿勢が素晴らしい」と話す。記者の質問に直立不動で答える真摯な姿勢と落ち着いた雰囲気、走攻守3拍子揃ったスマートなプレースタイルなどジーターと重なる点も多い。

 また今季からチームに加入したイチロー外野手も子供の頃に憧れのまなざしを向けた存在だ。同じ左打ちの安打製造機について「興味深い打撃フォームで多くのヒットを打っていた。友達と一緒にいつも独特な打撃フォームをものまねしていたよ。もちろん、試合で試したことはないけどね」と笑う。練習中も同じ外野手ということもあり、談笑する機会も多いようで、「将来殿堂入りする選手と一緒にプレーすることはとても勉強になる。それに、とても気さくに話をしてくれるから嬉しい」と話す。

 オフに13年総額3億2500万ドルの大型契約を結んだ昨季のホームラン王で25歳の主砲ジャンカルロ・スタントン外野手、右肘手術から今季オールスター前の復帰を目指す22歳のエースホセ・フェルナンデス投手、昨季23本塁打を放つなど成長著しい24歳のマーセル・オズナ外野手、そしてイエリッチ。チーム再建の礎となる4人は、言うなればマーリンズ版の「コア4」。

 オフに大型補強を展開したチームついて、イエリッチは「ワールドシリーズで勝つことのできるチームだと思っている。今すぐに勝ちたい」。憧れの存在に一歩ずつ近づくためにもやるべきことは分かっている。大きな可能性を秘めた23歳と、再建を目指すマーリンズに注目したい。

【了】

伊武弘多●文 text by kouta Ibu

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