2740日ぶり復帰登板の黒田、7回無失点の快投! 勝利投手の権利持って降板
>復帰戦は投・打・守で躍動、最後は見逃し三振に雄叫び
メジャーリーグから8年ぶりに広島に復帰した黒田博樹投手が29日、2740日ぶりに日本のマウンドに上がった。マツダスタジアムでのヤクルト戦で今季初先発。7回5安打無失点、5奪三振、1四球の快投を見せた。打者26人に対して96球を投げ、勝利投手の権利を持って降板した。
本拠地は超満員。登板前に黒田の名前がコールされると、割れんばかりの大歓声が巻き起こった。
その中で、黒田は初回から持ち味を発揮した。1番・山田への初球は142キロのツーシーム。内角いっぱいに決まるボールで、ストライクを取った。2球目は外角への132キロのスライダーを打たせてサードゴロ。1アウトを取った。2番・川端はツーシームで二ゴロ。3番・ミレッジには147キロのツーシームをセンター前に運ばれて初ヒットを許したが、4番・雄平は外角へのツーシームで見逃し三振。初回は無失点と幸先のいいスタートとなった。
2回は畠山にツーシームを弾き返され、センターオーバーの二塁打を浴びる。しかし、続くユウイチはツーシームで遊ゴロ。大引をスライダーで三ゴロに仕留めると、中村はツーシームで二ゴロとすべてゴロで打ち取り、ピンチを脱した。
3回、黒田はピッチャーの杉浦を空振り三振、山田はサード梵の好守で三ゴロに仕留めた。4回は雄平をツーシームで二ゴロに仕留めると、畠山もスライダーで二ゴロ、ユウイチはカーブで中飛。初めて三者凡退に抑えた。
その裏、黒田は2死1塁で2度目の打席に立つと、杉浦の直球を捉えて右翼線を破る二塁打。2、3塁とチャンスを広げたが、続く野間が一ゴロに倒れ、先制点にはつながらなかった。
黒田は5回、大引を空振り三振に仕留めたが、中村にはレフト前ヒットを許す。しかし、続くピッチャー杉浦の投前へのバントを素早く処理。前進してボールを掴むと、二塁に完璧なボールを送り、ダブルプレーに仕留めた。メジャー時代から毎年、ゴールドグラブ候補に名前が挙がるなど定評のあった守備でも魅せた。
その裏、広島打線が孤軍奮闘だった黒田をようやく援護する。2死1、2塁とすると、6番・梵の打球が一塁後方にフラフラと上がる。これがフェアゾーンにポトリと落ち、タイムリー二塁打に。広島がついに先制した。
6回、黒田は山田をスライダーで見逃し三振、川端をツーシームで一ゴロに仕留める。ミレッジにはこの日初めての四球を与えたが、雄平は中飛で無失点。1点をもらった直後のイニングも隙を見せなかった。
7回は畠山をツーシームで遊ゴロに仕留めるも、ユウイチにはセンター前ヒットを浴びる。しかし、続く大引は中飛に打ち取ると、中村は追い込んでから143キロの速球を外角いっぱいに投げ込み、見逃し三振。その瞬間、黒田は雄叫びを上げた。
黒田はここで降板。球数は96球だった。
黒田のメジャー移籍前の最終登板は2007年9月27日のヤクルト戦。この時は11安打を浴びながら3失点に抑え、完投でシーズン12勝目を挙げていた。見事な快投劇で、その時以来となる日本での勝利投手の権利を持ったまま、マウンドを降りた。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count