黒田、メジャーの経験詰まった1勝 対戦相手が明かした意外な印象とは
7回に見逃し三振の中村は「完敗だった。お手上げでした」
「ストレートが速かった」と話したのは、3打数1安打だった8番の中村だ。これは、直球(フォーシーム)だけでなく、打者の手元で動くツーシームも含まれたものだろう。黒田の場合、直球とツーシームの急速差はほとんどない。投球の軸はツーシームで、直球の割合は圧倒的に少ない。
中村は7回2死1塁の場面で、フルカウントから外角いっぱいに決まる143キロのツーシームで見逃し三振に打ち取られている。これは、黒田が「展開的にもけっこう苦しい場面でしたし、自分でも目いっぱい投げた」と渾身の力を込めて投じた最後の1球。球審の手が上がると、右腕は思わず雄叫びを上げている。
「最後の球は外からのツーシーム。完敗だった。お手上げでした。外の真っすぐ系をケアしてたけど、その中でも手が出なかった」
中村はこう振り返っている。「球威は終盤は落ちてましたけど、早い回の真っすぐは分かっていても速かった」。本番で迫力を増した投球に苦しんだ。
川端も「オープン戦とスピードが違った。真っすぐがすごく速かった」と印象を明かしている。
オープン戦での対戦と同じように、動くボールも攻略できなかった。4番に座った雄平は「甘い球も来ていたけど、もったいなかった。3打席目は特にもったいなかった。真ん中なので」と振り返る。6回2死1塁で迎えた第3打席は、真ん中付近の145キロのツーシームを打ちにいったが、中飛に終わった。