黒田、メジャーの経験詰まった1勝 対戦相手が明かした意外な印象とは
甘い球も凡打に、黒田の術中にハマったヤクルト打線
8日のオープン戦の時には、雄平は侍ジャパンに招集されていて不在だったため、黒田と対戦していなかった。「今日に関しては、動かされているというよりも本格派という印象。スピードが速く感じた。映像ではもっと動いているように見えた」というが、実際には手元で動くボールで打ち取られた。捉えたと思っても捉えられない。黒田の術中にハマったとも言える。
杉村打撃コーチは「(黒田は)オープン戦よりも悪かった。球が浮いていたが、勝負所でいい球が来ていた。甘い球もたくさんあったし、隙はあった」と話す。「ストライクゾーンで勝負してくるので、積極的に打ちにいかせた」というが、試合前の作戦は奏功せず、本調子ではない中でも要所を締める黒田の投球には、逆に凄みすら漂った。
その日の調子の中で投球を組み立てる。バットの芯を外すボールで凡打の山を築く。要所で粘り、得点を与えず、しっかりとゲームを作る。
この日の投球には、厳しいメジャーの舞台で7年を過ごし、超一流としての地位を築いてきた黒田の経験が詰まっていた。広島ファンが待ち続けていた本拠地での復帰登板で真骨頂を見せつけ、2740日ぶりの勝利を掴んだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count