新外国人投手の期待度 ジョンソンは広島にフィットする投球スタイル?

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ジョンソンは内野守備とのコンビネーションがカギか

 今年NPBにやってきた新外国人選手に関する分析の後編では、主に米国でプレーしていた投手の活躍を予想していきたい。

○クリス・ジョンソン投手(広島)【開幕一軍】

 シンカーを多投する投手で一昨年(2013年)の米マイナー3A級のリーグ最優秀防御率投手。実はそのタイトルを0.03差というわずかな差で争ったのが昨年(2014年)西武でプレーしたグレッグ・レイノルズ投手だ。

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2013年に米マイナーで防御率トップ争いをした2人の比較

 比較するとジョンソン投手の方が三振は奪えているが四球が多い。2人とも21先発を果たしているが、クオリティ・スタート(QS)(注1)、ハイクオリティ・スタート(HQS)はレイノルズ投手の方が多く、よく試合をつくっていた。ゴロボール投手という特徴も似ている。西武でのレイノルズ投手は、ゴロを打たせることには成功していたが試合をつくれず先発の機会は12回に留まった。

 ジョンソン投手は内野守備が安定している広島でプレーするため、レイノルズ投手以上の数値を残せる可能性はある。オープン戦では2試合で11回に登板。5奪三振、6与四球とあまりよくない内容ながら自責点は2に抑えていた。開幕一軍入りを果たしたが、四球のコントロールと内野守備の出来に結果が左右されそうだ。

 開幕2戦目に無四死球1安打完封というデビューを果たしたが奪三振は7、打球21本のうちゴロは12本(57%)、広島の内野はそれを全てアウトにしている。初登板はスタイルがうまくはまった形に。

○ウェイド・ルブラン投手(西武)

 最高球速は140km/h程度だが、3A級では通算で9回当たり8.3個の三振を奪っていた。四球も少なく、三振と四球の比率を表すK/BBも3.32と数字の上ではジョンソン投手よりもいい。通算防御率は4.45と高いが、奪三振、四球、被本塁打から推定する防御率FIP(注2)は3.59で内容は見かけの数字以上によい。

 防御率実値の高さは、打高投低のパシフィック・コースト・リーグ(注3)での被BABIP (注4)(0.322)が影響したものと思われる。また、ペトコ・パーク、マーリンズパーク、ビッグAといった投手有利の球場では好投しており、この3球場では3.56だった。そうした部分で評価を調整する必要はあるだろう。オープン戦では2試合に登板したが打者35人に対して三振は4つのみと振るわなかった。開幕は二軍スタートになっている。

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