田中将大は雑音を封じられるか 名投手が発した厳しい“警告”とは
オープン戦では明確な意図を持って投球を続けている田中だが…
「タナカは現時点で健康ではない。なぜなら、タナカは全力で投げることをためらっているように思える。タナカは変化球にこだわってる。彼が唯一、頼りにしているボールはスプリットで、彼の問題はより多くの負荷を掛ける必要のない部分である肘にある。そして、彼はためらっている。速球を投げることをためらい、彼は全ての変化球に頼ることになっている。さらに球速もまだ上がっていない」
このように、オープン戦でのピッチングに厳しい視線を浴びせている。
田中は3月25日のメッツ戦に登板した際、速球の球速が88~90マイル(約142~145キロ)だった。昨年よりも遅くなっていることに米メディアは注目したが、本人は「やはり去年、フォーシームを数多く打たれていたので、ツーシームでボールを動かして、(バットの)芯を外していきたいなという狙いはあります」と説明。シュート気味に変化するツーシームを多投していたために、ファストボールの球速は自然と下がったという。
エース右腕はオープン戦で明確な意図を持った投球を続けているが、「健康ではない」とまで言い切るマルティネス氏は、田中のピッチングから肘に対する不安と精神的なためらいを感じ取っている様子だ。
ヤンキースのジョー・ジラルディ監督は、故障なく開幕を迎えた田中に余分な登板間隔などを与えずに起用する方針を口にするなど、復調を信じている。疑問や不安の声を封印するためには、昨季前半戦のような快刀乱麻のピッチングでスタンドを沸かせる必要がありそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count