メッツが狙う15年ぶりの覇権交代 ニューヨークのライバル対決に注目
有望な若手擁するメッツ、15年ぶりに勢力図を塗り替えることになるのか
一方で2000年以来のプレーオフ進出を狙うメッツは、投手を中心に若手選手が着実に力をつけてきた。その筆頭となるエースのマット・ハービー投手は昨年の右肘手術から復帰。オープン戦では5試合に先発して1勝1敗、防御率1.45と完全復活を予感させる投球を見せた。昨季9勝を挙げてナ・リーグ新人王に輝いた2番手のジェイコブ・デグロム投手との2枚看板は大きな可能性を秘める。
昨季自身初の30本塁打を放ち、主砲に成長したルーカス・デューダ内野手、昨季ゴールドグラブ賞を受賞したフアン・ラガレス外野手ら投打ともに伸び盛りの若手が多く、昨季の79勝から上積みが予想されている。
過去20年間でメッツがヤンキースをシーズンの勝ち数で上回ったのは2000年の1度だけ。その年にはヤンキースがメッツをワールドシリーズで破った。メッツ・ファンが久しぶりに味わう期待感。15年ぶりに勢力図を塗り替えることになるのか、それとも名門球団が意地を見せるのか。
ワールドシリーズで再戦を期待したいところだが、オッズ的にはかなりの大穴予想。ともあれ、田中とハービーという若きエースを擁する両チームが直接対決するサブウェイ・シリーズは、これまで以上に熱い火花が散りそうだ。
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伊武弘多●文 text by kouta Ibu