黒田博樹のリードは意外と難しい? 名捕手育成につながる40歳右腕の投球

黒田の投球を組み立てる“レシピ”、ポイントとなる球種とは

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黒田が好投を引き出すレシピとは【写真:編集部】

 黒田が好投を続けるための鍵として、野口氏はある球種を挙げる。メジャーリーグ中継で黒田登板試合の解説を務めることも多かった野口氏が、当時から注目してきたボールだという。

「黒田君といえば、ツーシームを両サイドに投げて、フロントドア、バックドアと色々使いながら組み立てていく。『だったらツーシームばっかり投げてればいい』という方向に行きがちですけど、黒田君が活躍するにはその他の球種をどこでどう使うかがポイント。これのみですよね。

 メジャー時代に見ていて、黒田君がいいピッチングする時には、カーブをよく使ってるんです。カウント取りで、大きいカーブを、例えば左バッターの外側からポンと入れてくる。そうやってうまくカウントを取れた時に、彼はいいピッチングを出来ていたんです。その使いどころ。使うのを忘れないことですね」

 多くの投手と同様に、黒田の投球についてもしっかりとした“レシピ”があるという。會澤がツーシームに頼りすぎて、それが崩れてしまえば、持ち味を消してしまう可能性もある。野口氏は言う。

「1試合で100球を投げたとして、速球系が50%ちょっとくらいで、他の40%ちょっとが変化球全般、それが(ストレート系)60%―(変化球系)40%くらいまでの間に収まるのがちょうどいい割合。だけど、困ってツーシームに頼り始めると、70~75%かくらいまで速球系になってしまう。そうなってくると良くない傾向なんですよね。

 いい球はいつまでも良くしておかないといけない。通用するようにしておかないといけない。あんまり投げ過ぎて、慣れられてしまうと通用しなくなる。『ツーシームと思ってるところでスライダーを投げられた』『ツーシームを狙いに行ってるのに、初球カーブで簡単にストライク取られた』。バッターはそのくらいに感じた方が悩む。そうすると、いざ本当にツーシームが来た時に慣れていないから、合わなくなるんですよ。そういう状態を作ってあげないといけない」

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