黒田博樹のリードは意外と難しい? 名捕手育成につながる40歳右腕の投球

4球団で捕手として活躍してきた野口氏が分析する、黒田をリードする「難しさ」

 今年のプロ野球界の主役といえば、メジャーリーグから8年ぶりに復帰した黒田博樹投手だ。MLB球団からの巨額のオファーを断り、“広島愛”を貫いて帰ってきた右腕は、オープン戦から圧巻の投球を披露。今季初登板となった3月29日のヤクルト戦(マツダスタジアム)でもファンの大きな期待に応え、7回5安打無失点、5奪三振、1四球の好投で初勝利を挙げた。日本では実に2740日ぶりの白星だった。

 黒田は今季、どれだけの成績を残せるのか。メジャーでも超一流としての評価を受けたままで帰国し、投げるボール自体は40歳にしてトップクラスであることをすでに証明した。となると、鍵となるのは捕手のリード。多彩な球種をどのように組み合わせていくかで、黒田の成績、そしてリーグ制覇を目指す広島の成績が変わってくるだろう。

 広島では、會澤翼がレギュラー捕手として台頭してきている。侍ジャパンにも選出された期待の26歳は、オープン戦でも黒田の登板試合でマスクを被る試合が多く、3月29日のヤクルト戦でもコンビを組んだ。

 會澤はうまく黒田をリードできるのだろうか。

 ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍してきた野球解説者の野口寿浩氏は、黒田のような投手のリードは「逆に難しい」と分析する。

「全部の球種でカウントが取れて、全部の球種が決め球になる。ツーシームがクローズアップされてますけど、他のボールもしっかり使える。だから難しい。豊富な球種があって、コントロールがいい。そういうピッチャーが打たれたら、キャッチャーの責任と見られるじゃないですか。だから難しいんです」

 では、會澤が注意するべきところはどこなのか。

「多分、若いので『困ったらツーシーム』となるんですよ。ただ、黒田君は他のピッチングスタイルもできるピッチャーですから。カットボールや、もうちょっと曲がるスライダーも投げ分けられるし、スプリットだってバットを振りたくなるようなところから落とせる。そっちの方向にもちゃんと頭を働かせて目配りしながらやっていけるようにならないといけない」

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